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a・iコラム No.6

悪しき習慣が悪しき結果を生み出す?!

皆さん、こんにちは。櫻堂渉です。 最近、TVで卓越した技術を持っている心臓外科医や脳外科医(よく神の手と言われています)が取り上げられていますが、急性期の病気の場合は医師の技量というのが比較的見えやすいのです。 ここで、皆さんにちょっと考えて欲しいと思います。急性期の場合はわかりましたね。 それでは慢性疾患の場合はどうでしょうか?何で判断するのでしょうか? 透析医療の場合は何で判断するのでしょうか? そう、判断しにくいでしょう。ここがポイントです。普通に見てもわからないのです。

病院を内側から見てきたコンサルタントとしてここではっきりといっておきます。どれも、あてになりません。どれも質の根拠になりません。だから騙されてはいけないのです。

どうして男は床屋をかえない?

床屋の話?医療に関係ないとお思いでしょうか?少しガマンして私の話を聞いてください。 男性というものは一般的に、ほとんど行きつけの床屋をかえるということをしません。オシャレに敏感な人は別として、多くの人は行きつけの店があります。そして定期的に判で押したように同じ床屋に通い続けます。また不思議なことに、床屋ばかりでなく、ほとんど髪型を変えるということをしません。男性の方は自分自身を振り返ってみていただければ判ると思います。何故でしょうか?

毎回、毎回飽きもせずに同じ店に通い続ける。その店が最高の満足を与えてくれるから通い続けるのかというと、決してそうではありません。不思議ですよね。もし満足していないのなら、自分を満足させてくれる店を探せばいいじゃないですか?しかし、決してそうはしない。大して満足していないのに、行動を変えようとはしないのです。

何故でしょうか?その理由は?実は理由らしい理由など見つからないのです。そう、ただ店を変えるのが面倒くさいのです。お店を変えればこんなことがあるのではないかと頭をよぎります。新しいお店のスタッフと出会い、「どんな髪型がお好みですか?長さは?スタイルは?」こう聞かれます。そして何かしら会話をしなければならない。最初に髪を切ってもらうときは気がきではありません。本当に自分のリクエストが伝わっているのだろうか?指やハサミの少しの動きにも敏感になる。「ちがう、ちがう、そんな切り方ではなく、そこはもう少し短く、モミアゲは少し長く」等、口には出しませんが心の中で考えてしまいます。

最も危険な行動

こんなことを考えるだけで面倒くさいのです。今より悪くなったら後悔するから嫌なのです。間違った選択をした自分を想像して、こんなことなら変えないほうが良いと考えてしまいます。これが大きな理由です。とりあえず、今の床屋でそれほど不満もないからこれでいいと納得してしまうのです。ただそれだけです。つまり、髪を切るということ自体が面倒なこと、そして床屋以上に大事なことがあるので、床屋はそこそこであれば、ドウでもいいとなります。その結果、毎回同じ床屋に通いつめるわけです。だから、多くの男性は床屋を変えないのです。

ここに誰しもが持っている人間の行動様式を垣間見ることが出来ます。髪を切りにいつもの床屋に行くということが、その人のパターンとして根付いてしまうのです。そこには、合理的な判断や思考は存在しません。何と自動的にそうなってしまうのです。誰でもがこのような習慣を持っているはずです。癖と言ってもよいかもしれません。ここが極めて重要なところです。毎日の生活の中で、人生の中で習慣はいたるところに潜んでいます。

習慣の全てが悪いということを言っているのではありません。当然、良い習慣もあります。問題なのは、悪しき習慣が悪しき結果を生み出してしまうということなのです。そしてこれが最も人間の危うい行動ということなのです。

床屋であれば確かにさして問題はありません。しかし、これが医療機関となれば話は別だと思いませんか? 床屋に通い続ける行動と医療機関に通い続ける行動が果たして同じ原理からでいいのでしょうか? 果たして悪しきパターンを医療機関の選択に持ち込んで良いのでしょうか? さあ、皆さん次回までちょっと考えてみてくださいね。


医療経営戦略研究所
所長  櫻堂 渉
【プロフィール】
慶應義塾大学院経営管理研究科修士(MBA)修了
1987年システム総合開発研究所(旧病院システム開発研究所)技術統括部長
1995年バクスター株式会社 医療経営研究室 室長
2001年医療経営戦略研究所 所長
2002年日本医療経営学会評議委員
2004年日本透析医会 顧問就任
2005年厚生労働省 医療技術に関する調査研究「在宅療法の普及及び技術評価に係る調査」実施委員会 委員
【主な著書・文献】
「透析は人生の足かせじゃない!−透析患者の課外授業−」(雲母書房)
「透析医療と経営−業界構造分析ー−」、「透析医療の経営環境変化−米国の分析と日本予測−」、「わが国におけるハイテク在宅医療の将来」、「日数の短縮と医療機関の行動選択」など多数
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