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a・iコラム No.7

騙されてはいけない

こんにちは、櫻堂 渉です。前回は、床屋を例に通い続ける人間の行動様式、習慣について話しました。全ての習慣が悪いというのではありません。もちろん良い習慣もあります。 しかし、悪しき習慣は悪しき結果を生み出してしまうのです。

床屋に通い続ける行動と医療機関に通い続ける行動が果たして同じで良いのでしょうか。

前回の内容を復習したい方はこちら
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http://www.tosekikanjya.com/column/ai/no6.htm

自分の選択を正当化するその理由とは?

実は多くの人がこのことをわかっているのだと思います。いつも通いなれた医療機関を自分なりに評価してみる勇気、そして不満があれば医療機関を変えるという行動をとる勇気。ただ、「行動する勇気」がないだけなのです。「勇気を持て」というのは言うのは簡単ですが、勇気をもって一歩を踏み出すことは容易いことではないと考えるかもしれません。 また、ただの精神論と捉えがちですが、私は決してあなたに精神論を強要しようというのではないのです。

勇気というのはその前提条件として、積極的な心象が求められます。心の態度といっても良いでしょう。心の態度を正しくそして積極的に持つためには、自分自身を説得する論理的な裏づけがあるほうが望ましいのです。
つまり、勇気ある行動をとるための決断が強固になります。

あなたが現在の医療機関を選択した裏づけは何でしょうか?
自分の選択がどうして正しいと言えるのでしょうか?
あなたが、正しいと思うから今の医療機関を選択して、今も通っているわけですよね。
自分の選択を正当化するその理由とは?何でしょうか?

ここで、自分自身の心の中を覗いてみましょう。その理論的な裏づけは次の質問に答えることで次第に明らかになってゆきます。

●あなたが、今の病院を選択した理由は何でしょうか?

今に至るまでの過程を思い出してみてください。導入病院の医師に紹介されたのですか?それとも自分の目で見て、確かめた上で自分の意思で選んだのでしょうか? いまあなたは二日に一回透析をうけるために現在の医療機関に通っている、その訳を客観的に述べてください。実際に紙を出して書き留めてみてください。 何が気に入っているのでしょうか?
スタッフの対応がいいのでしょうか?
家から近いからでしょうか?
それともあなたの要望にこたえてくれるからでしょうか?

●あなたは、今の病院と他の病院とを比較したことがありますか?

他の病院と比較することは決して悪いことではありません。
今の病院の欠点も見つかりますが、優れたところが見つかります。
他と比較して今の病院が決定的にいいと思えるところはどこでしょうか?

●あなたが、今の病院で何となく不満な部分を明らかにしてください。

もしかすると、今の病院で不満はないかもしれません。不満というよりもどうしようもないと考えているからでしょうか。 それでも構いません。明らかにしてください。
何となく不満、不満ほどではないが何となく気にかかる点がある。
もしそうであれば、これも明らかにしてください。

●その不満を他の病院で解消できるとしたらどうでしょうか?

不満の程度にもよりますが、あなたが不満を持ちながらも、あなたはこれから先も永遠に不満を抱きながら人生を過ごしてゆくのでしょうか? あなたは自分の気持ちを閉じ込めながら、鬱々としながら人生を過ごしてゆくのでしょうか?

素の自分と向き合い、対話してみる。

この質問をすることによって次第にあなたの心の底にある本質的な「思い」が明らかになってきます。本当は表に出したくなかった思い。本当は見ない振りをしてきた思い。 自分の中で諦めていた思い。自分と向き合って対話を続けてみてください。
あなたはきちんとした大人ですし、医療は自己責任ですから私がとやかく言うことではありません。

しかし問題は、

前回も言いました、憶えている方もいると思いますが、「騙されてはいけない」のです。
贅沢な建物、バカ高い医療機器に騙されてはいけないのです。
医療はサービスである以上建物や医療機器だけではありません。人は目に見えるもので判断しがちです。
しかし、医療は目に見えるでしょうか?かたちがあるのでしょうか?

サービスというのはそもそも無形性と言われています。
そう、形も無いうえに目に見えない。それでは、何を見ればサービスの良し悪しが判るのでしょうか?
それはあなた自身が評価をすべきなのです。

「そうは言ってもよくわからない」こういう人もいると思います。 手がかりは、サービスを作り上げているのは「人」だということです。
つまり、人を見れば判るのです。人を通じてサービスが提供されます。このように考えると技術や様々なシステムそしてそれを動かしている組織が重要だということがわかってきます。

あなたは、果たして現在通っている病院はどうでしょうか?
先程の各項目についてどれだけ知っていますか?
これらの質問項目は、実は目に見えない無形のサービスというものを理解するための質問なのです。
人と組織が作り出すサービスがどのようなものであるかを知る手だてになります。

もし知らないのでしたら、先ず透析施設の選び方から間違っている可能性があるということです。そして間違っている医療機関を選択して、通院が習慣と化して、「何となく変だけどまあいいや」と自分を納得させて、その結果あなたの健康に支障を来たしたらどうでしょう。あなたの寿命が短くなったら?こう考えると黙ってはいられないはずです。
透析施設の選択があなたの寿命を決定付けるのですから。
今回はここまで。また、次回お会いしましょう。


医療経営戦略研究所
所長  櫻堂 渉
【プロフィール】
慶應義塾大学院経営管理研究科修士(MBA)修了
1987年システム総合開発研究所(旧病院システム開発研究所)技術統括部長
1995年バクスター株式会社 医療経営研究室 室長
2001年医療経営戦略研究所 所長
2002年日本医療経営学会評議委員
2004年日本透析医会 顧問就任
2005年厚生労働省 医療技術に関する調査研究「在宅療法の普及及び技術評価に係る調査」実施委員会 委員
【主な著書・文献】
「透析は人生の足かせじゃない!−透析患者の課外授業−」(雲母書房)
「透析医療と経営−業界構造分析ー−」、「透析医療の経営環境変化−米国の分析と日本予測−」、「わが国におけるハイテク在宅医療の将来」、「日数の短縮と医療機関の行動選択」など多数
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